令和6年6月2日
「2024年診療報酬改定のポイントと経営対応」研修が開催されました。
(株)ASK梓診療報酬研究所の所長である中林梓先生を講師に迎え、最新の診療報酬改定に関する情報と、それに伴う医療機関の経営対応についてご講演頂きました。
当日は多くの病院・診療所関係者の来場があり、関心の高さが伺えました。
研修の概要
中林先生は、診療報酬改定の背景や目的について詳しく説明してくださいました。
2024年の改定では、「少子高齢化」への対応が大きなテーマとなっており、特に「寝たきりの高齢者を作らない」ための施策が背景となっています。
また、「マイナス改定」とも言われる「非常に厳しい改定」として、医療機関にとって報酬改定を理解した対応が求められることも強調されました。
改定の主なポイント
研修では、以下の主要な改定ポイントについて解説がありました。
1. 地域包括ケアの推進:高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるように、地域包括ケアシステムの強化が図られます。
2. 予防医療の重要性:疾病予防や健康管理の強化が進められ、リハビリ、口腔・栄養管理の連携が求められます。
3. 医療従事者の働き方改革:「賃上げ」や「ベースアップ評価料」によって、医療従事者の労働環境の改善が図られます。
4. ICTの活用:「医療DXの推進」により、医療現場でのICT活用が促進され、「電子カルテの普及」や「電子処方箋の体制整備」が進められます。
5. 特定疾患管理料の対象疾患の見直し:特定疾患管理料の対象疾患から高血圧症、糖尿病、脂質異常症が除外され、生活習慣病管理料に移行となったことは大変大きな影響があります。
6. かかりつけ医機能:「かかりつけ医機能」を深掘りする評価が今改定では見られます。
7. 長期収載品の選定療養:10月から導入される「長期収載品の選定療養」に関する理解も重要です。
8. 在宅の連携:「在宅の連携」の強化が求められ、「在宅医療におけるICTを用いた連携の推進」により、医療従事者間の情報共有と協力が促進されます。
経営対応のポイント
改定に伴う経営面での対応についても具体的なアドバイスがありました。中林先生は、以下の点を強調されていました。
ICTの活用:今改定では様々な項目でICTの活用による算定が認められています。
連携強化:地域の他の医療機関や介護施設との連携を強化することが重要です。
まとめ
今回の研修を通じて、2024年の診療報酬改定の概要と、それに伴う経営対応のポイントを理解することができました。中林先生のわかりやすい解説と具体的なアドバイスにより、今後の医療機関運営における課題とその解決策が明確になりました。これからの医療現場での実践に向けて、しっかりと準備を進めていく必要があると感じました。